薬局での取組
担当薬剤師制
当薬局では訪問を行っている各患者様に対して担当薬剤師を専任しています。
担当薬剤師が定期的に訪問を行うことで普段の生活環境やADL、ご本人様の性格やご家族様との関係性など薬剤に関わることだけではなくその方の生活状況や生活環境を踏まえて包括的に関わることを大切にしています。
担当薬剤師制にすることにより医師やケアマネジャー、訪問看護、訪問介護など他職種の方々との連携をスムーズに行えるように心がけています。
また「退院時カンファレンス」や「担当者会議」に参加し、連携する方と顔を合わせた関係性を築けるようにしています。
「配達」ではなく「訪問」
薬局のご自宅への訪問と聞くと「薬の配達をしてくれるのでは」とイメージするかと思います。
当薬局ではご自宅への訪問を大切に考え、薬をご自宅に配達することはそのための手段として考えています。
薬を間違えずに渡すこと、これは第一に大切なことですが提供された薬剤が適切に使用されているのか、過量服用や飲み忘れはないのか、服用による副作用の兆候はないか、ということをモニタリングする必要があります。
循環器疾患や糖尿病、脳神経外科による疾患など、薬剤管理を適切に行うことが第一の介護予防になるケースは多くあります。
そのようなケースでは薬剤師が介入し適切に管理していくことが求められています。
そのため当薬局では間違えずに薬剤を提供する事はもちろんのこと訪問を行った際にご自宅での管理方法が適切か、内服による効果が適切か、内服を行った際に副作用の兆候が見られていないのか、を確認致します。
管理方法が不適切な場合には生活環境をふまえどのような管理が行えるのか、などを検討しその方の生活環境にあった薬剤提供を行えるよう活動しています。
「薬」ではなく「人」
薬剤師が関与すると「薬」に対してフォーカスしてしまうことが多く見受けられますが、当薬局としては「人」にフォーカスを当てることで視点が変わり今までとは異なる関わり方が行えると考えています。
「薬」ではなく「人」に対して関わることにより「薬」という点での関わりではなく「人」の生活や今までの経緯を踏まえてその方の人生や生き方、死生観、人生観、医療や薬剤に対する考え方、などその方なりの認識に寄り添って一緒に考えていくことが大切と考えています。
その方の考え方が医学的や薬学的な本質と異なっていることだとしてもまずは「人」として関係性を築き、その方の考え方を容認し現在の生活環境を確認していくこと。
その中で薬学的に体調への影響が考慮された際には、本来の適正な使用方法について懇切丁寧に説明を重ねていく。
医療側の正解を当てはめるのではなく、その方が受け入れられるものに変化させていく。
このような取組を重ねていく中で適切な薬剤管理を提供し、またその方の生活環境と薬剤が合わない場合には処方医と相談し処方医薬品自体を変更して頂くような提案を行い、その方らしい生活の中で適切に薬剤を使用できる環境を整えられるようにしています。