服薬支援ロボット
在宅ではその方の管理状況に合わせ一包化などを行い薬を管理するケースやお薬カレンダーを使用してまずは服用できる環境を整えるのが第一段階と考えています。
今回はお薬カレンダーでの管理が困難となり過量服用の可能性がある方に服薬支援ロボットを利用していくことになりました。
薬局でも初めての試みでありいろいろと気付かせて頂くことがありました。
メリットとしては一定の時間帯でしか服用を行えないため飲み間違いや過量服用を防げること。
今回の方は眠剤の過量服用による朝への持ち越しや転倒が心配されていたため、そのリスクを軽減できたことは非常に良かった点です。
デメリットとしては現段階では月のレンタル料金がかかること、などがあります。
認知症が進行した方では利用方法がわからないことや、発する音に不快感を感じ壊してしまうケースがあるようです。
導入にあたってはその方の認識の程度や周りのご家族様の支援がどこまで可能なのかを確認することが必要です。
利用して気付いた1番のことは、あくまでも『ツール』の1つだということです。
全ての方に利用できることはなく、それぞれの方の生活環境を把握することが大事なんだと。
薬局のやり方を通すのではなく、それぞれの方に対しての対応は千差万別、状況に応じて対応を柔軟に行わなければいけないということです。
また環境を整えることがゴールになってはいけない、ということ。
今回も服用状況は改善しましたが認知症への薬物治療がなされていないことや、現状を医師が把握できていない可能性があります。
今回は相談員さんを通して次回以降の診察に活かして頂けるよう情報提供を行いました。
私達がやるべきことは薬を飲ませることではなく、現在の状況を薬剤師なりの目線で把握し見解を医師に伝えていくこと、それが医師の診察に少しでも力添えが出来れば嬉しく思います。
薬剤師の業務はAIで代替できるとの意見もありますが、処方通りに薬を揃えることや服用してもらうことが業務であればその通りかもしれません。
薬物治療に関与していくことや生活環境の改善に寄与していくことがこれから必要なんだと再認識させられました。
引き続き『人と人の関わり』を大切にし、在宅で過ごす方の生活に寄り添えるような薬剤師でありたいと思いました。
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